WEB版 真夜中のバス亭
YouTube動画音声入りもあります。
久しぶりに幼なじみ兼親友と飲みに行った
帰りのことだ。
家は近所だが、社会人になって
ほとんどあっていなかったから、
とても話が弾んで、最終バスのぎりぎりの
時間になってしまった。
そこで俺たちは、ある女子高生を見つけた。
これが、のちに彼女との同棲を始めることになる
感動物語?の始まりだ。
タケシ こんな時間に、なんで女子高生が一人でいるんだけしからん!
かなり酔っていたタケシ(仮名)は、訳もなく怒りだした。
タケシ しかもあんな短いスカートでムチムチの太もも出してなんてことだ。
ここは説教してやらねばいかんぞ
モトチカ (こいつこんなに酒癖悪かったっけ!)
モトチカ あっ、コラ!
モトチカ まて!
まずいよこれ、下手すると痴漢かなんかに勘違いされるケースだぞ
タケシ じゃまするな!
モトチカ うわっ!
ドサッ
モトチカ あっ、ヤバ
かな キャ!
モトチカ ちがっ!
かな 変態、痴漢!
モトチカ ちっ違う!
モトチカ ちちっ違う!転んだだけなんだ ほんとなんだ
モトチカ あっ、待って 聞いて・・・
モトチカ おい、どうしてくれんだよ!
完全に痴漢と思われたじゃん
タケシ すっ、すまん。
もし、警察着たら ちゃんと説明するから
今日はタクシー拾おう 俺が出すから・・
彼女に振られる
ある日の彼女とのデート
モトチカ 俺は、チョコレートパフェ
かな あっ、あの時の痴漢!
モトチカ えっ! あの時の女子高生!
彼女 この子に何したの!
モトチカ いや、そのーしたっていうか 何もしてないっていうか・・・
かな この人、駅前のバス停で最終バス待っていたら
わざと寝転んで、私のスカートの中覗いたんです!
彼女 最低!
パン!
言い訳もさせてもらえず
彼女はさっさと帰ってしまった。
ラインはブロックされたらしく既読はいつになってもつかず
電話は着信拒否された。
まだつきあい始めて三か月というのもあったのだろう。
また彼女は何度も痴漢被害にあっていて
痴漢をものすごく嫌悪していたそういうこともあったのだろう。
俺は、弁解の機会も与えられず、振られたようだ
誤解が解ける
再び真夜中のバス亭
タケシ あっ、あの時の女子高生!
タケシ こっ、この前は ごめん!
かな えっ! だれ?
タケシ ほら先週の金曜日、転んで君のスカートの中を覗いちゃった奴の連れだよ
かな あっ!あの時の痴漢の仲間の人!
タケシ まってまって!ほんとに不可抗力だったんだよ
俺があいつを突き飛ばしてしまってほんとに痴漢なんかじゃないんだよ
かな えっ、そうなの
タケシ むしろ、あいつは君を守ろうとしたんだよ。
俺、すごい酔っててさ。
こんな時間に女子高生がいたら
危険だから 説教してやる ってなっちゃって
それをあいつが止めようとしたのを、俺が突き飛ばしてしまって あんな事になっただけなんだよ。
あいつはすごい真面目なやつなんだ。
だから、悪いのは俺なんだよ。
かな そうだったんだ。
タケシ ほんとごめん。
怖い思いさせて 申し訳なかった
かな 分かりました。もういいです。
私、以前にここで変な人に触られそうになったから、
てっきりまただと思って 決めつけてしまって。
まっこんな時間にいる 私もいけないだけれど
タケシ ありがとう。信じてくれて。
君にここであえて ほんと良かったよ。
あいつもすごく気に してたから。
かな あっ!でも、私 あの人に大変なことしちゃったかも
かな あの人の彼女前で、痴漢扱いして
彼女さん凄く怒って ビンタして帰ってしまって・・・
どうしよう、私のせいだ
タケシ ああ、それね・・・ うん・・・実は
彼女に振られたみたいだね
まっ、仕方がないかな。
君は気にしなくていいよ
それね俺のせいみたいなものだからさ。
改札での再会その1
ある日のバス亭のある駅の改札口
タケシ えっ
かな やっと会えた
タケシ うわーあ、違うんだ 俺は痴漢じゃない
かな もう!慌てないでよ
誤解は解けてるから大丈夫よ。
元痴漢さん
タケシ えっ、そうなの
よっかたあ 誤解は解けたのか
かな 酔っぱらいのお友達に
この前バス停であって
ほんとのこと聞いたから
かな それよりさ、彼女さんのことごめん。
振られちゃったんだってね
私のせいだから、誤解といてあげてもいいよ。
タケシ いやあ、いいよ。
もう新しい彼氏できたみたいだし
かな えっ、もう?
まだ二か月ぐらいだよね。
乗り換え早くない?
彼女さん・・・
タケシ まっ、付き合い始めだったし、
そんなに俺のこと好きでなかったのかもね。
言い訳もさせてくれなかったし。
かな でも、なんだか 罪悪感・・・
タケシ いやいや、そんなに気にしなくて大丈夫だからさ。
君の誤解が解けただけで十分だよ。
危うく犯罪者になるところだったからね
かな そっかあ・・・
じゃあ、私、バイトあるから、行くね。
タケシ 分かった。
気にかけてくれてありがとう。
タケシ あっ、そうだ名前おしえて。
かな えーっ、元痴漢さんには教えられないかなあ
タケシ ええーっ
かな ふふふっ、そうね。
もし、またどこかで偶然であえたら、
その時は教えて、あ・げ・る。
ねっ、元痴漢さん!
かな バイバーイ モトチカさん
タケシ モトチカって元痴漢の略かよ
俺の名前、教えるのが先だったか・・・
俺は、また彼女に会いたくて わざと最終バスにしてみたり
バイトしていた喫茶店に行ってみたりしたが、
会うことできはなかった。
そして、二十七歳の俺が、十歳前後は年下の女の子と出会えたところで、
それこそ犯罪者みたいじゃないかと思い直して、無駄な努力をやめることにした。
小悪魔との再会その2
それから、二週間ぐらい後 どーん
かな わっ タケシ わあ
そう彼女はいつも忘れた頃にやってくる
かな ひさしぶりー、モトチカさん元気してた?
タケシ もう、勘弁してくれよ
すっげーびくっりした 心臓に悪いよ・・・
タケシ でもよかったあ。
もう会えないかと 諦めてたんだ
かな えーっ、やっだなあ
そんなに私に会いたかったのー
そして彼女は結構な小悪魔だ平気で年上の男をからかう
かな いいよいいよ。私ってかわいいものね
おじさんに、モテちゃうのは仕方ないもの。
タケシ あっいや、その名前を訂正してもらいたくて
かな それは、だーめ!
だって、そんな約束はしてないもん
タケシ えーっ、そんなあ
かな 約束したのは、私の名前だけだよ。
内村かな、十七歳。高校二年生だよ。
お・じ・さん
タケシ 十七かあ・・・十歳差かあ
確かに君から見たらおじさんだね
かな うーんと、そうだな また次会えたら、
名前聞いてあげよっかな
でも、私いつもこの駅来るわけじゃないから
かなり微レ存だよね。
タケシ えっ、あんな時間にバス乗ってたから
てっきり自宅がこっちなのかと・・
かな だから、もし会えたらそうだなあ・・・
一回ぐらいデートしてあげてもいいよ
タケシ えっ、で、デート
って俺はそんなつもりじゃ・・・
って言いつつ、なんかやったーっ!と思っている自分がかなりやばかった
この小悪魔が・・・大人の男をからかいやがって
かな 嘘嘘嘘!
そのエモい顔は絶対かなとデートしたいって思っている顔だぞ!
隠すな隠すなって
タケシ まっ君みたいな可愛いこと、
デートしたくないわけはないけど・・・
かな うんうん、正直でよきかな
モトチカさんの、そのうぶみなところ かわたん。
タケシ 大人をあんまりからかうなよ
かな じゃあねー、これあげとくよ。
微レ存過ぎるからね。
ちょっと待ってね
かな はい、これあげる
彼女がくれたのは電話番号が書かれた名刺みたいなものだった。
突然の電話
かな じゃあまたねー
タケシ うん、また
これって家電かよ 今どきの女子高生が
携帯持ってないってほんとかよ?
ナンパ対策なのかなあ 親出ると考えたら普通電話しないだろ
うーん、わからん子だ
彼女がデートしてくれるっていう言葉にひかれて
俺は何度も電話をしようと試みたが・・・
まだ未成年の女子高生の家に電話をするって、
凄く勇気が必要で、俺にはできなかった。
ほんとヘタレな俺だった。
それから一か月ぐらい過ぎたある日のこと
タケシ もしもし、
かな モトチカさん?
タケシ えっ!もしかして、かなちゃん!
なっなんで
かな こらーっ!
こらーっ!
こらーっ!
なんで電話してこないのよ
タケシ だっだって家電だよね。
未成年の女の子の家に電話なんてできないよ!
かな しょうがないじゃない
私携帯もたせてもらえないんだから
それより、モトチカさんの かなへの興味って そんな程度なの?
かなとデートしたくないの?
タケシ そんなことないよ
ずっと会いたいと思ってたんだほんとだよ!
かな だったら、今日の夜七時にB駅の駅前広場に来てよ。